お問い合せ サイトマップ

いつでも、選んだり、オーダーしたりできる“江戸小紋”

第10回 「フランス縞」について





■「フランス縞」の文様

 まっすぐの縞文様とも、波打つヨロケ縞とも違い、ゆるやかな曲線の束がところどころで交差しながら、どこまでも続いている文様です。ゆっくりと留まることなく流れ続ける、柔らかなせせらぎのごとく、たおやかな文様です。

■人間国宝 児玉博氏の「フランス縞」を現代に

 「フランス縞」は、伊勢型紙「縞彫り」の人間国宝、児玉博氏(1992没)の彫った型が由来です。 児玉氏の型は連続した縞の束が交差する文様でした。
 現在では児玉氏の型紙は極めて希少となり現役にて染められる型紙の入手が困難となったため、当店では新たに「錐彫り」(細かい点々で文様を描く技法)にて「フランス縞」を再現した型を用いて、フランス縞の持つ柔らかくて優美なデザインを実現させています。

■ 「フランス縞」の名前

 児玉氏自身が名づけたとも、その文様をご覧になった宇野千代さんが名付けたともいわれていますが定かではありません。
 おそらく、文様の優雅な流れるようなデザインが、どことなくエレガントな国「フランス」、そしてもしかすると悠久の歴史を刻み、とどまることなく流れ続けるセーヌの川の流れを彷彿とさせたからかもしれません。

■「フランス縞」は当店開業以来、人気の文様です

 「フランス縞」を染めたお着物は、“しなやかに着る人に沿う江戸小紋”ならではの、品のある優雅な着姿を実現します。
 江戸小紋と言えば「鮫」という「やわらか派」に人気の高い「極鮫(極めて細かい鮫柄)」に比べると、格は下がりますが、無地感覚でお召し頂けるため、ちょっとしたフォーマルシーンにもキレイに映えます。
 さらに、「粋派」の好む「万筋(まんすじ)」などの微細なストライプ柄とも一味ちがう、女性らしいやわらかい表情が魅力の文様です。


水色のフランス縞



淡い浅葱色のフランス縞



絽に染めた忘れな草色のフランス縞



どちらかというと緑系青系の淡い色合いのご注文が多いフランス縞ですが
こんな「檸檬色」も素敵です!


ページトップへ