第1回 「大小あられ」
空から降る元気な氷粒 「霰(あられ)」とは、空から舞い落ちる、細かい氷の粒のこと。 気温が0度近くなり、雪が氷に変わり「霰(あられ)」となります。 雨と雪が交じって降る重みのある「霙(みぞれ)」や、粒の大きな「雹(ひょう)」と違って、細かくパラパラと美しく空を舞い、かすかな音をたてて地面に飛び跳ねるのが「霰(あられ)」。 江戸時代、島津藩の定め柄 「大小あられ」文様は、江戸時代の薩摩島津藩の定め柄でした。つまり島津武士のユニフォーム。 昨年の大河ドラマ「篤姫」で、高橋英樹さん演じる島津斉彬や、瑛太さん演じる小松帯刀が江戸城に上がり将軍様にお目通りを許された際に身にまとっていた「裃(かみしも)」の柄が「大小あられ」文様でした。 大小の「霰(あられ)」が地面に飛び跳ねる勢いの良さは、明治維新の立役者、薩摩島津藩の面々や篤姫の、筋の通った気骨のある人生に通ずるところがありますね。 人気のわけ-「格」と「情緒」、「かわいい」と「粋」 「大小あられ」は、江戸小紋の文様の中でも人気の高い文様のひとつです。 「鮫(さめ)」「行儀(ぎょうぎ)」「通し(とおし)」の江戸小紋三役に、「縞(万筋)」「大小あられ」を加えて江戸小紋五役といいます。 三役、五役の文様は紋を入れることで略礼装とすることができる「格」のある文様です。 しかし、「大小あられ」は、そのような「格」のある文様ではありますが、若いお客様には、「ドット柄」「水玉模様」などと言われ親しみやすい柄でもあります。 紋をいれずに、お好みの名古屋帯などで気楽にお召し頂ければ、品のある街着にもなります。 「ドット」や「水玉」と呼ばれるプリント柄と異なるのは、やはり手で彫られた粒粒なだけに、情緒ある情景を描き出していることです。 また、「大小あられ」は地色によって異なった趣を演出してくれます。 紅色系などの色で染めると、上品で大変かわいい印象を与える江戸小紋に仕上がります。 一方、墨色系の地色で染めると、なんとも粋で色っぽいのある着こなしも映える江戸小紋になります。 正に、江戸小紋は“色で着る”です。 さて、こんな魅力的な「大小あられ」文様はいかがでしょうか? 「大小あられ」の粒の大きさによって、細かいものから粗いものまで4種類の型をご用意しています。 細かくなるほどより無地感が増して美しく光る江戸小紋に仕上がります。 お店には常時お見本のご用意がございます。 ぜひお手元でご確認くださいませ。 ホームページではこちらのページで! ご遠方の方には「お試し染め」もご用意しております。 どうぞお気軽に! | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
江戸小紋の文様
|