第2回 「鮫(さめ)文様」
江戸小紋、代表選手 小さな点々の連続で図柄が構成されている、江戸小紋独特の文様の中のひとつ。 もっとも古くからあり、最も人気の文様といっても過言ではない「鮫文様」です。 お母様やお祖母様がお着物をお召しになる方なら、タンスの中に一枚ぐらいはあるかもしれません。 特に茶道をなさる方には時代を超えてこよなく愛されています。 また、お子様のお宮参り、卒入学などの式典や、ご友人ご親戚の結婚式などのフォーマル仕様には、文句なしに選ばれる、江戸小紋ならではの美しい文様です。 紀州徳川藩の定め柄 紀州徳川藩は、江戸小紋を染める「伊勢型紙」の産地を統治した藩です。 江戸時代になり戦のない平和な時代が訪れると、お洒落の需要も増し、型染めの着物を染める「伊勢型紙」は、紀州藩の庇護を受けて、大変豊かな富をもたらしました。 どうしてこの文様が生まれたのかは定かではありませんが、豊かで力のある藩であった紀州藩。 当時の武士たちの刀の柄の部分には貴重品であった「鮫皮」を巻くのが高級武士のステータスであったた時代、裃にも「鮫」柄をという発想だったのかもしれません。(あくまで店主の憶測) 「極」になるほど光沢を持つ不思議な文様 鮫小紋は、鮫の皮のような半円形を重ねた文様です。 この半円形の曲線の積み重なりが光をたくみに反射するので、お召しになる方の動きに合わせて、とてもしなやかに輝きをはなちます。 遠目には、光沢のある生地の色無地かと思われますが、近づいてびっくり! なんとも細かい匠の技に息を飲むほどです。 当店では、柄の細かさによって、『極』『中』『並』の3種類をご用意しています。 細かくなればなるほど、色味が薄くなり、キラキラ度も増します。 ※やはりお手にとってご覧頂くのが一番なのですが、少しご紹介いたします。 同じ色で「上」が『極鮫』、「下」が『中鮫』です。 |
極鮫![]() 中鮫 ![]() |
※同じ色で「上」が『極鮫』、「下」が『並鮫』です。 |
(極鮫)![]() (並鮫) ![]() |
細かくなるほど「格」もあがりますが、やはり「お色」の好みやお顔移りが一番大事です。 ご用途、お好みにあわせて、ぜひ一度お顔にあわせて、お手元でご覧頂きたいと思います。 ご遠方の方には「お試し染め」を承っております。 どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。 |
江戸小紋の文様
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