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いつでも、選んだり、オーダーしたりできる“江戸小紋”

伊勢型紙の製法


伊勢型紙ができるまで

 伊勢型紙は和紙を柿渋で張り合わせて燻製と乾燥によってつくられた強靭な紙(型地紙といいます)に独特の道具を用いた彫刻技法によって柄を丹念に彫りぬいてつくられます。
 伊勢型紙の彫刻技法には、「錐(きり)彫り」「突(つき)彫り」「道具彫り」「縞彫り」があり、これらの技術は重要無形文化財に指定されています。
 一度に6〜8枚の型地紙を重ねて1箇所を固定し、下絵にそって彫り上げていきます。忍耐と根気のいる作業で、1セットを彫り上げるのに半月〜1ヶ月以上かかるとされます。

錐彫り
 
 刃先が半円形の彫刻刀を垂直に立てて、錐を回転させながら小さな孔を掘っていきます。
 「鮫」「行儀」「通し」と呼ばれる図柄は最も格調が高く、錐小紋三役といわれています。
 「極」と称される細かいものだと3センチ四方に900個以上彫られています。
 単純な柄だけに難しい技法とされています。

突彫り
 
 
5〜8枚の型地紙を穴板という台の上に置いて、刃先が1〜2个両刀で垂直に突くようにして前に彫りすすみます。
 この型紙は「紗張り」といって、彫りあげた型紙に絹の網を漆で張り付けて補強することもあります。彫り口が微妙に揺れるので独特のあたたかい感じがあります。


道具彫り


 刀自体が花、扇、菱の形に彫られた彫刻刀を使って色々な文様を彫りぬきます。
 この技法は道具づくりから始まり、道具の出来栄えが作品を大きく左右します。道具彫りの特徴は文様が均一になること、多様な形が表現できることです。江戸小紋では、俗にゴットリとも呼ばれています。
縞彫り
 
定規と彫刻等で均等の縞柄を彫ります。単純な作業のようですが、一本の縞を彫るのに同じ箇所を3度続けて小刀でなぞるので、極めて正確な技術が必要です。3センチ幅に12本で「万筋」、20本で「毛万筋 」(髪の毛のように細くて細かい筋 )といいます。この彫りは染める時に縞が動きやすく壊れやすいので、「糸入れ」といって、あらかじめ型地紙を2枚にはがし、重ねて彫ってからその間に絹糸を張り、ずれないように柿渋で張り合わせることが必要になります。現在では糸入れがで きる人が殆どいなくなり、本当に細かい縞柄は大変貴重な型紙になりました。


デザインと伝統的職人技
    (三重県立美術館 伊勢型紙展図録より 抜粋)

伊勢型紙は伝統的職人の領域に属していると同時に、「デザイン」としてもとても興味深いものです。デザインには伝統的幾何学的なものから、花鳥風月を象徴化したもの、江戸の人々の現実感覚や遊び心を映し出したものまで無数のバリエーションがあります。幕末にシーボルトが浮世絵とともに膨大な型紙を持ち帰ったとの逸話もあり、グラフィックな性質のため、19世紀のヨーロッパの工芸、デザインに少なからず影響を与えたといわれています。
 デザインとして見ても大変洗練された感性を感じさせるものでありますが、実際の型紙は単なるデザインとは異なります。デザインが染めに生かされるためには、紙、道具、工程のひとつひとつにわたって職人さんの長い経験の上に培われた、知識を超えた身体的な感覚としての「技」が掘り込まれています。
 しかし、型彫りと型染めが互いに抜き差しならない関係であるにもかかわらず、最終的な製品を生み出さない伝統的工芸用具である伊勢型紙の型彫師は、長いあいだ型染めの陰に隠れた名も無き名匠でした。江戸小紋染めの職人であった故小宮幸助氏が人間国宝の指定を受けるにあたり、「型彫師にやってくれ」というエピソードが残されています。故小宮氏と同時期(1955年)に6人の型彫師が人間国宝に指定されました。


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