第9回 地型(じがた)文様について
ホームページでご紹介している文様の名前のところに、「地型(じがた)」と表示された柄があります。今回は、この「地型(じがた)」について、ご紹介いたします。 【地型(じがた)とは】 ①地型の型紙 例えば、この「亀甲(地型)」の型紙は、おみなえし色(下は紫紺色)のところが彫ってあると思いがちですが、それは逆で、白いところが彫ってあり、おみなえし色(紫紺色)のラインが彫り残してあります。 |
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この「萩とススキ(地型)」の型紙も、山吹色に染まっている部分の型紙が彫ってあって、そこを黄色く染めているのではなく、白い部分が彫ってあり、山吹色の部分が型紙の彫り残してある部分です。繊細なラインを残して彫るのは大変高度な技術を必要とします。 |
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②地型の染め 江戸小紋の染めは、生地に型紙を置いて、型紙の彫ってある(穴のあいているところ)に、防染糊を置きます(型付けといいます)。糊が乾いてから地色を染めて、蒸して色を沈着させ、その後に洗い流すと、最初に置いた糊が落ちて白い部分が登場する!という染め方です。 なので、型紙の紙が残っている部分(彫っていない部分)に地色が染まります。 ですので上記の2例では、一見すると地色は「白」と思いがちですが、江戸小紋では、白い部分を「目色」、紫紺色、山吹色がそれぞれ「地色」となります。 このように、地色が柄を描き出している文様を「地型(じがた)」と言います。 ③白い部分が多すぎて、どうなのかしら?と感じたら。。。 |
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地型の文様は白目の部分がとても多くなります。 白いままでもハツラツとしてよろしいかと思いますが、白すぎる?と思われましたら、裏染めや2色染めをおすすめします! *裏染めのおすすめ 裏を染めると表地の白い部分にほんのりと色がうつります。このように白色に落ち着きを加えてみると、お着物としてのグレードアップにもなります。 |
(裏を同じ色で染めてあります) 裏を染める時にも型染めをして、センスの良いひとえのお着物にもいかがでしょう~?! ![]() |
※2色染めのおすすめ また、白い部分に色を加えることもできます!(2色染め) 2色染めにすると全く違うイメージのものが出来上がったりするのも楽しみです。 ※2色染めの「お試し染め」も承っております |
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